徳島県道147号日和佐牟岐線(ひわさむぎせん)は、徳島県海部郡美波町から海部郡牟岐町に至る一般県道であり、南阿波サンラインとして広く知られています。この道は太平洋を望む絶景のドライブコースとして人気があり、毎年多くの観光客やドライバーが訪れる観光名所です。
南阿波サンラインは1970年(昭和45年)に一部が開通し、1974年(昭和49年)に全線開通しました。当初は有料道路でしたが、1988年(昭和63年)に無料化され、現在は徳島県道147号日和佐牟岐線として認定されています。海岸線を眺めながらのドライブや、秋に開催される「南阿波サンライン黒潮マラソン」で有名です。
ルートの起点は美波町のJR四国牟岐線日和佐駅付近(道の駅日和佐)から始まり、サンラインの美波町側入り口まで約3 kmの距離です。終点は牟岐町のJR四国牟岐線牟岐駅前の国道55号交差点で、全長約17 kmの道中には、4ヶ所の展望台駐車場があります。なお、夜間(20時から翌朝5時まで)は、排気量125 ccを超える自動二輪車の通行が禁止されています。
南阿波サンライン沿いには、千羽海崖展望台や日和佐浦展望台といった観光名所が点在しています。これらの展望台からは、室戸阿南海岸国定公園の美しい海岸線や太平洋の雄大な景色を一望することができます。
特に「千羽海崖」は、海抜200 mを超える断崖絶壁が太平洋に向かって約2 kmにわたり続く壮大な風景で知られています。美波町から牟岐町まで続くこのエリアは、絶景のドライブコースとして、四季折々の自然の美しさを楽しむことができるスポットです。
徳島県南部は光害が少なく、空気が澄んでいるため、天体観測にも適した場所としても知られています。特に1998年11月のしし座流星群発生時には、サンラインの展望台が絶好の観測スポットとして注目され、多くの天文ファンが集まりました。関西や四国の各地から車で訪れた観測者たちが、星空の美しさを楽しみました。
南阿波サンラインには、トンネルや駐車場などの施設が整備されています。その中で代表的なトンネルが「千羽トンネル」です。このトンネルは1970年に竣工され、全長340 mに及びます。また、沿道にはいくつかの駐車場も設置されており、観光客が立ち寄りやすい環境が整っています。
南阿波サンラインをドライブすると、その沿線には多数の観光スポットが点在しています。観光客にとっては、景色を楽しむだけでなく、道中で立ち寄れる場所も魅力のひとつです。
美波町には「道の駅日和佐」があり、地元の特産品やお土産を購入したり、休憩するのに最適な場所です。周辺には温泉施設や、観光案内所も設置されており、旅行者にとって便利な施設が充実しています。
先述した「千羽海崖」のほか、牟岐町には「明丸海岸」という美しい海岸があります。海水浴や釣りに訪れる観光客が多く、夏の季節には多くの人々で賑わいます。特に釣り場としての人気が高く、釣り愛好家にとっては格好のスポットです。
毎年11月には、「南阿波サンライン黒潮マラソン」が開催されます。このイベントには多くのランナーが参加し、太平洋を望む絶景を楽しみながらのランニングを楽しみます。黒潮の海風を受けながら走るコースは、ランナーにとって非常に魅力的です。
南阿波サンライン黒潮マラソンは、アップダウンが激しいコースとしても知られており、チャレンジングなランニング体験ができます。全国からランナーが集まり、ゴール後には地元の特産品を楽しむことができるアットホームな雰囲気が特徴です。
南阿波サンラインへのアクセスは、JR四国牟岐線日和佐駅から、サンラインの入り口まで車で約3 km、牟岐駅からは国道55号を経由してアクセスすることができます。途中の道の駅や観光スポットで休憩を挟みながら、ゆっくりとドライブを楽しむのがおすすめです。
公共交通機関を利用する場合、JR四国牟岐線の列車を利用するのが便利です。日和佐駅や牟岐駅からバスやタクシーを利用して、サンライン周辺の観光スポットへとアクセスすることができます。
車で訪れる場合、徳島市内から国道55号を南下して、約1時間半ほどで南阿波サンラインに到着します。道中には美しい海岸線や、地域の観光スポットが点在しており、途中で立ち寄りながらドライブを楽しむことができます。
南阿波サンラインは、太平洋を一望できる絶景のドライブコースとして、また天体観測や釣りなどのアウトドアアクティビティが楽しめる場所として、多くの観光客に愛されています。無料化された今、訪れる際にはぜひ周辺の観光スポットにも足を運び、美しい自然と地域文化を満喫してください。