牛岐城址公園は、徳島県阿南市富岡町に位置し、かつて阿波九城の一つであった牛岐城の跡地に作られた美しい公園です。恋人の聖地にも認定されており、特に夜には幻想的なイルミネーションが楽しめることで知られています。また、光の八十八ヶ所めぐりにも選ばれており、多くの観光客が訪れます。
牛岐城址公園は、阿南市の中心部である富岡町トノ町の城山と呼ばれる一帯にあります。ここは、かつて阿波九城のひとつとして知られた牛岐城があった場所で、公園として整備されたのは1970年です。1998年には産業展示館が建設され、現在では「牛岐城趾館」として一般公開されています。夜には「キラキラ・ドーム」と呼ばれるイルミネーションが公園を彩り、訪れる人々にロマンチックな雰囲気を提供しています。
牛岐城は、築城年代こそ明らかではありませんが、至徳年間(1384年 - 1386年)に新開実重が築いたという説が有力です。阿波国の要所であったこの城は、天正10年(1582年)に新開実綱が長宗我部元親に謀殺されたことで、長宗我部家の支配下に入りました。その後、天正13年(1585年)には蜂須賀家政が阿波国を支配し、賀島主水政慶が牛岐城の城代として入城しました。寛永15年(1638年)の一国一城令により廃城となり、現在では城跡として公園として整備されています。
牛岐城は「富岡城」や「浮亀城」という別名でも知られています。これは、入城後に城代であった賀島主水政慶が、この地を「富岡」と改名したことに由来します。そのため、牛岐城も富岡城と呼ばれるようになりました。
かつての牛岐城は、周囲を堀で囲まれた城山であり、湿地帯や深い川に囲まれていました。しかし、大正2年(1913年)の道路工事によって城山は南北に分断され、現在では城跡として残る部分はごくわずかです。それでも、城の南半分の頂上には八角形の展望室が設置され、公園として親しまれています。また、発掘調査では、主郭部分に徳島城と同様の野面積みの石垣が発見され、往時の姿をしのぶことができます。
公園内には「牛岐城趾館」と呼ばれる施設があり、ここでは牛岐城に関する資料や、発掘された石垣の一部が展示されています。特に、野面積みの石垣は徳島城と共通する技法が用いられており、歴史好きの方には見逃せないポイントです。
牛岐城址公園のもう一つの名物が「キラキラ・ドーム」です。夜になるとこのドームが美しいイルミネーションに包まれ、公園全体を幻想的な雰囲気に変えます。特に恋人たちに人気のスポットであり、恋人の聖地にも認定されています。イルミネーションは年間を通じて行われており、季節ごとに異なるテーマで装飾が施されます。
公園内には、「恋人の聖地」としての象徴的なモニュメントも設置されています。これは、訪れるカップルたちが愛を誓い合う場所として、多くの人々に親しまれています。夜景と共に写真を撮るカップルも多く、SNSでもよく取り上げられています。
牛岐城址公園では、季節ごとに様々なイベントが開催されます。特に7月の夏祭りは、数十万個のLEDで飾られたオブジェと阿波踊りのコラボレーションが楽しめる大人気イベントです。また、12月にはLEDで装飾されたクリスマスツリーの周りで多彩なイベントが行われ、訪れる人々を楽しませます。
牛岐城址公園は、JR牟岐線「阿南駅」から徒歩約10分の場所に位置しています。阿南市の中心部にあり、アクセスは非常に便利です。また、東側の入り口から自動車での進入も可能で、11台まで駐車できる無料駐車場が完備されています。
JR牟岐線「阿南駅」を降りて、北西に向かって徒歩約10分で牛岐城址公園に到着します。阿南市の商店街を抜け、城山の方向に進むと、静かで緑豊かな公園が見えてきます。
東側の入口から自動車での進入が可能で、11台までの無料駐車場が利用できます。公園利用者専用の駐車場なので、特にイベント時には早めの到着がおすすめです。
牛岐城址公園は、その歴史的な背景や美しい夜景、そして恋人の聖地としてのロマンチックな雰囲気で多くの観光客に親しまれています。昼間は自然豊かな公園として散策を楽しめ、夜にはイルミネーションが公園を彩ります。阿南市を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。