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大浜海岸(美波町)

(おおはま かいがん)

大浜海岸は、徳島県海部郡美波町日和佐浦に位置する、美しい砂浜が広がる海岸です。全長は約500メートルで、自然豊かな環境が広がっており、ウミガメの産卵地としても有名です。「大浜海岸のウミガメおよびその産卵地」として国の天然記念物に指定されており、また「日本の渚百選」や「四国のみずべ八十八カ所」にも選定されています。

大浜海岸の概要

名称の由来と位置

大浜海岸の名称は、その名の通り「大きな浜」であることに由来しています。海岸は日和佐川の河口近くに広がり、川のそばにある小さな浜は「小浜」と呼ばれています。海岸のすぐ沖合には「立島」という小さな島が浮かび、かつては干潮時にこの島まで歩いて渡ることができました。

歴史的な保護指定

大浜海岸はウミガメの産卵地として長年知られています。1967年には、「大浜海岸のウミガメおよびその産卵地」として国の天然記念物に指定され、自然環境の保護が行われています。また、1996年には「日本の渚百選」にも選ばれ、全国的にその美しさと自然の重要性が認められました。

大浜海岸のウミガメ

ウミガメ保護の歴史

大浜海岸はウミガメの産卵地として特に有名で、文化財保護法や自然公園法、美波町文化財保護条例、美波町ウミガメ保護条例などによって、毎年5月20日から8月20日までの間は立ち入りが制限され、車の通行も禁止されています。これにより、ウミガメの産卵環境が守られています。

アカウミガメの産卵状況

大浜海岸では1950年(昭和25年)からアカウミガメの上陸数の統計が取られており、最も多かった年は1968年(昭和43年)で、308回の上陸が記録されました。しかし、その後は上陸数が減少し、1996年(平成8年)以降は2桁台、さらに近年では1桁台にまで落ち込みました。そして、統計開始以来初めて2018年(平成30年)には産卵がゼロとなり、2023年(令和5年)にはついに上陸数もゼロとなりました。

最近のウミガメ上陸と産卵

2024年(令和6年)6月12日、大浜海岸で2年ぶりにウミガメの上陸と産卵が確認され、再び希望の光が差し込みました。地域住民や保護団体による地道な保護活動の成果が実を結び、ウミガメの産卵環境が少しずつ改善されている証拠です。

交通アクセス

大浜海岸へのアクセス方法

大浜海岸へは、JR牟岐線の日和佐駅から車で約5分という便利な立地です。観光客にもアクセスしやすく、日帰りでも訪れやすい観光地です。

観光地としての魅力

自然と触れ合う場所

大浜海岸は、その美しい砂浜と透明度の高い海水が訪れる人々を魅了します。また、立島のような自然の風景や、干潮時に現れる砂洲など、季節や時間帯によってさまざまな表情を見せるのも大きな魅力です。家族連れやカップルにも人気の観光スポットで、海水浴やビーチでの散策を楽しむことができます。

ウミガメとの共生

大浜海岸はウミガメの産卵地として世界的にも注目されています。地元の人々や観光客が協力して、ウミガメの保護活動が行われており、毎年ウミガメが安全に産卵できるよう、厳重な管理がされています。ウミガメの保護活動に参加したり、彼らの産卵を間近で観察することができる特別な体験は、多くの人々にとって忘れられない思い出となるでしょう。

自然保護の取り組み

保護活動と地域の協力

大浜海岸で行われているウミガメの保護活動は、地域住民とボランティアの協力によって支えられています。毎年、産卵シーズンには多くのボランティアが集まり、砂浜の整備やウミガメの卵の保護活動を行っています。また、美波町ではウミガメ保護条例が施行され、地域全体でウミガメの保護に取り組んでいます。

観光と保護の両立

観光地としての大浜海岸は、多くの観光客が訪れる場所ですが、自然環境の保護を最優先に考えた運営が行われています。ウミガメの産卵期には立ち入り制限が設けられ、海岸を守るための様々な措置が講じられています。観光と自然保護を両立させる取り組みは、今後も続けられていく予定です。

まとめ

大浜海岸は、徳島県美波町を代表する美しい海岸であり、ウミガメの産卵地としても広く知られています。自然保護活動と観光がバランスよく調和したこの地は、訪れる人々に自然の美しさと大切さを教えてくれます。ウミガメの保護活動に参加することで、自然環境を守る大切さを実感できると同時に、美しい砂浜と海の風景を楽しむことができる大浜海岸は、ぜひ訪れる価値のあるスポットです。

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名称
大浜海岸(美波町)
(おおはま かいがん)

阿南・日和佐(美波)

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