栄養価の高さも魅力
すだちは、ビタミンCを豊富に含み、レモンを上回る量とも言われています。さらに、疲労回復や新陳代謝を促すクエン酸も多く含まれており、美味しさと健康を兼ね備えた優れた果実です。
すだちの特徴と由来
「酢の橘」と呼ばれた歴史
古くは「酢の橘(すのたちばな)」と呼ばれ、調味料としても重宝されていたすだち。現在ではその名を略して「すだち」と呼ばれるのが一般的となり、日本の食文化に深く根付いています。
見た目と香りの特長
果実の大きさは直径3~4センチメートルほどで、未熟な緑色の状態で出荷されるのが一般的です。その皮を裂けば、ふわりと爽快な香りが広がり、食欲をそそります。
生産の中心地は徳島県
主な生産地
すだちの生産は、徳島県が日本全国の約98%を占める圧倒的なシェアを誇ります。特に、神山町、佐那河内村、阿南市などが主な産地として知られています。これらの地域は、温暖な気候と水はけの良い土地がすだちの栽培に適しており、質の高い果実を生み出しています。
出荷の時期
すだちは、春から秋にかけて市場に出回ります。ハウス栽培品は3月下旬から8月中旬、露地栽培品は8月上旬から9月中旬にかけて出荷され、特に夏の終わりから秋にかけての旬の時期には、さまざまな料理に用いられています。
県花としてのすだち
実だけでなく、すだちの花にも注目したいところです。かわいらしい白い花は、その美しさと清らかな香りから、徳島県の県花にも指定されています。初夏には一面に白い花が咲き誇り、目にも心にもさわやかな印象を与えてくれます。
観光とともに楽しむすだちの魅力
徳島県を訪れた際は、地元の飲食店で新鮮なすだちを使った料理を味わうのも旅の楽しみのひとつです。また、道の駅や直売所では旬のすだちが販売されており、お土産としても人気があります。
さわやかな香りと健康的な酸味を持つすだちは、徳島の自然と人々の暮らしに寄り添う果実です。ぜひ、現地でその魅力を体感してみてください。
旬の時期:
8月〜9月(露地栽培)
3月下旬〜8月中旬(ハウス栽培)