江音寺は、徳島県海部郡海陽町に位置する曹洞宗の寺院です。龍昇山という山号を持ち、本尊は阿弥陀如来です。また、新四国曼荼羅霊場の86番札所として、多くの参拝者に親しまれています。
江音寺の歴史は古く、1523年(大永3年)に創建されました。当初、この寺は「江月庵」と称され、現在の海陽町加島にありました。その後、寛永年間(1624年〜1644年)に現在の場所に移され、寺名も「江音寺」と改められました。古くから地蔵尊の寺院として信仰を集め、多くの地元民や参拝者が訪れる場所となっています。
この寺の本尊は阿弥陀如来で、初代開山は月殿昌桂大和尚です。現在の住職は16代目にあたり、代々続く歴史を重んじつつも、新しい時代に合わせて寺の運営がされています。
元々「江月庵」として知られていたこの寺は、現在の国民宿舎「加島荘」あたりに位置していました。1523年に創建され、その後、寛永年間に現在の海陽町浅川の地に移され、「江音寺」と名を改めました。この移転と改称によって、地域における信仰の中心として、さらに重要な存在となりました。
江音寺の本堂は、平成9年に「阿波の名匠」として知られる和西義郎氏によって新築されました。この本堂は、地元の建築技術の粋を集めたもので、特にその堂内天井には曹洞宗の開祖である道元禅師が詠んだ「傘松道詠」が奉納されています。これにより、訪れる参拝者は、宗教的な信仰心とともに、建築美も楽しむことができます。
昭和60年に建立された六角延命堂には、六地蔵尊が安置されています。この六地蔵尊は、江音寺の信仰の中心的存在であり、参拝者の日々の生活を見守っているとされています。特に地蔵尊信仰の強いこの地域では、江音寺は祈りの場として、深い敬意をもって扱われています。
江音寺では、年間を通じてさまざまな宗教行事が行われます。特に地蔵尊への供養や祈りが中心となっており、地域の人々の心の支えとなっています。以下は、主な年中行事の一覧です。
江音寺は、海陽町の自然豊かな環境に囲まれた場所にあり、参拝者は心身ともにリフレッシュできるでしょう。また、周辺には八坂八浜や法生島など、弘法大師伝説にまつわるスポットも点在しており、観光スポットとしても魅力的です。特に、四季折々の自然風景が美しい地域で、訪れる人々はその美しさに癒されます。
江音寺へのアクセスは、四国旅客鉄道(JR四国)の牟岐線を利用するのが便利です。最寄り駅である浅川駅からは車で約3分の距離にあり、車での訪問も非常に便利です。また、徳島市から車で約2時間の距離にあり、観光ルートに組み込むことも可能です。駐車場も完備されているため、参拝者は安心して訪れることができます。
江音寺は新四国曼荼羅霊場の86番札所で、前後には以下の札所があります。
これらの札所を巡ることで、地域の歴史や文化、信仰に触れることができます。江音寺を訪れた際には、ぜひこれらの札所も巡ってみてください。
江音寺は、歴史的な背景とともに、現代でも多くの人々に信仰され続ける曹洞宗の寺院です。その特徴的な建築や信仰の中心である地蔵尊は、地域の人々に深い影響を与えています。年間を通じて多くの行事が行われる江音寺は、参拝者にとって心の安らぎと信仰の場であり続けるでしょう。