徳島県 » 大歩危・小歩危・祖谷渓

阿波池田うだつの家・たばこ資料館

(あわ いけだ いえ しりょうかん)

阿波池田うだつの家・たばこ資料館は、徳島県三好市池田町マチに位置する博物館です。たばこ産業の歴史に触れることができるこの施設は、「真鍋家住宅」とも呼ばれ、うだつを持つ建物として三好市の指定有形文化財に指定されています。

施設の概要

この博物館は、かつてたばこ製造業で繁栄した真鍋家の旧居宅を改装したものであり、主に葉たばこと刻みたばこの歴史に関する資料が展示されています。訪れる人々は、江戸時代から明治時代にかけてのたばこ産業の栄華を感じることができます。

歴史的背景

阿波池田は江戸時代からたばこの集積地として栄えました。阿波国西部の山間部では葉たばこの栽培が盛んであり、この地域の葉たばこは「阿波葉」として広く知られ、刻みたばこのブランド「阿波刻み」として高い評価を受けました。幕末から明治にかけて、池田町には100軒以上のたばこ業者が存在し、本町通りにはうだつを持つ町屋が立ち並びました。

真鍋家は1860年(万延元年)にたばこ製造を始め、特に明治時代には真鍋武蔵と義弟の利三郎によって事業を拡大し、地域のたばこ産業を牽引する存在となりました。1996年には、真鍋家住宅が池田町の有形文化財に指定され、2000年に「阿波池田うだつの家・たばこ資料館」として開館しました。

真鍋家住宅の建築

真鍋家住宅は、10間の間口と32間の奥行を持つ広大な敷地に立地しています。袖うだつを備えた主屋の壁面は黒漆喰で仕上げられ、3つの虫籠窓や格子戸が特徴です。また、主屋のほかに書院造の離れや茶室、煙草蔵、工場などが敷地内に点在し、訪れる人々を魅了します。

工場には、当時のたばこ製造に使用されたかんな刻み機や売渡帳など、たばこ産業に関連する貴重な資料が展示されており、たばこ産業の歴史に深く触れることができます。

うだつの持つ意味

「うだつ」とは、建物の両脇に張り出した防火壁の一種で、特に裕福な家が持つことが多かったことから、成功の象徴ともされました。本町通りには、この「うだつ」を持つ町屋が多く残っており、往時の池田町の繁栄を物語っています。

施設の見どころ

主屋

博物館の中心となる主屋は、黒漆喰の壁と立派なうだつを持つ建物で、江戸時代のたたずまいを今に伝えています。虫籠窓や格子戸が特徴的で、かつての商家の威厳と風格を感じさせます。

離れ

書院造の離れは、主屋とは異なる趣を持ち、訪れる人々に落ち着いた空間を提供します。この場所は、江戸時代の上流階級の生活様式を感じることができる場所でもあります。

茶室

日本の伝統的な文化の一つである茶の湯が楽しめる茶室も見どころの一つです。静寂な雰囲気の中、四季折々の美しい庭を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

煙草蔵

たばこの保存や製造に使用されていた煙草蔵は、当時のたばこ産業の中心的な役割を果たしていました。この施設では、たばこの歴史を象徴するような貴重な資料が多数展示されており、たばこ産業の発展とともに歩んできた真鍋家の歴史を垣間見ることができます。

工場(たばこ資料館)

たばこ資料館となっている工場では、かんな刻み機やたばこ箱など、たばこ産業に関連するさまざまな展示物を見ることができます。また、かつてのたばこ銘柄「真鶴」など、阿波池田のたばこ産業を象徴する資料も展示されており、当時の繁栄を今に伝えています。

中庭

美しく手入れされた中庭は、四季折々の花々が咲き誇り、訪れる人々を癒します。春には桜、夏には青々とした草木、秋には紅葉、冬には雪景色と、一年を通して異なる風情を楽しむことができます。

利用案内

開館時間

阿波池田うだつの家・たばこ資料館の開館時間は、9時から17時までです。なお、毎週水曜日と年末年始は休館日となっていますので、訪問の際はご注意ください。

入館料

入館料は一般310円と非常にリーズナブルな価格で、多くの観光客が気軽に訪れることができます。歴史ある建物と貴重な資料に触れられるこの機会をお見逃しなく。

交通アクセス

阿波池田うだつの家・たばこ資料館は、JR土讃線阿波池田駅から徒歩約5分の場所に位置しています。交通の便も良く、電車でのアクセスが非常に便利です。

周辺の観光スポット

阿波池田うだつの家・たばこ資料館の周辺には、本町通りをはじめとする古い町並みが広がっており、歴史的な建物や風情ある街道を楽しむことができます。また、池田町自体も観光地として発展しており、阿波池田の歴史や文化を満喫できるスポットが数多く存在します。

Information

名称
阿波池田うだつの家・たばこ資料館
(あわ いけだ いえ しりょうかん)

大歩危・小歩危・祖谷渓

徳島県