奥祖谷観光周遊モノレールは、徳島県三好市東祖谷菅生に位置する観光用モノレールで、2006年8月29日に開業しました。しかし、2022年4月1日現在、休業中となっており、再開の目途は立っていません。この記事では、モノレールの概要や特徴、スペックについて詳しく紹介します。
奥祖谷観光周遊モノレールは、旧東祖谷山村の観光振興を目的として設置された施設で、温泉施設「いやしの温泉郷」を起点に、三嶺中腹を約4.6kmにわたって周回するコースです。当初はロープウェイでの運営が計画されていましたが、自然環境への配慮から、産業用モノレール(モノラック)を採用することとなりました。このモノレールは、徳島県内で唯一の電動車両を有する路線ですが、鉄道事業法の対象ではなく、施設内移動施設や遊戯施設として扱われています。
モノレールの乗車時間は約65分です。しかし、途中で停車する駅はなく、トイレ休憩もありません。そのため、運行管理者は乗車前にトイレを済ませるよう強く推奨しています。開業当初は2人乗りのゴンドラ10台で運行していたため、1時間あたり20名しか乗車できませんでした。その結果、行楽シーズンの週末などには長時間の待ち時間が発生していましたが、現在はゴンドラの台数を15台に増やし、対応しています。
モノレールの営業時間は、4月から9月までは午前8時30分から午後4時まで、10月から11月までは午前8時30分から午後3時30分までです。なお、毎週水曜日と12月から3月までは休業となります。また、保守点検のために臨時休業する場合もありますので、事前に確認することをお勧めします。
奥祖谷観光周遊モノレールは、豊かな自然の中をゆっくりと進むことで、森林浴を楽しみながら登山気分を味わえるユニークな観光体験を提供しています。モノレールの最大傾斜角40度という急な斜面を登りつつ、標高1,380mまで到達するため、途中で見る景色は圧巻です。フィトンチッドと呼ばれる植物から発散される成分により、爽やかで清々しい空気を感じることができます。
奥祖谷観光周遊モノレールは、自然環境に配慮した電動式モノレールを採用しています。このシステムにより、周囲の生態系に影響を与えることなく、観光客は安心して自然を満喫することができます。また、運行便数が限られているため、予約制ではありませんが、事前に空き状況を確認することが推奨されています。
以下はモノレールの主要スペックです。
奥祖谷観光周遊モノレールへのアクセスは、車と公共交通機関の両方で可能です。車で訪れる場合、井川池田インターチェンジから国道32号を高知方面に進み、県道45号、県道32号、国道439号を経由して約1時間30分で到着します。公共交通機関を利用する場合、JR大歩危駅から四国交通バスに乗り、久保バス停で三好市営バスに乗り換えて菅生バス停で下車します。バス停からは徒歩約30分です。
剣山は、奥祖谷周辺で最も有名な山で、ハイキングや自然散策を楽しむことができます。標高1,955mの山頂からは、四国の美しい風景が一望できます。
奥祖谷二重かずら橋は、日本三大奇橋の一つとして知られており、伝統的なかずらを使って作られた吊り橋です。この橋を渡るスリルは、奥祖谷観光の一大名所です。
落合集落は、山間に広がる歴史的な集落で、昔ながらの家屋や景観を楽しむことができます。展望所からは、集落全体を一望でき、その美しい景観が広がります。
奥祖谷観光周遊モノレールは、豊かな自然に囲まれたユニークな観光体験を提供していましたが、現在は休業中であり、再開の目途は立っていません。しかし、周辺には剣山や二重かずら橋など、多くの魅力的な観光スポットが点在しています。モノレールが再開した際には、自然の恩恵を感じながらのんびりとした観光を楽しむことができるでしょう。