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西方山 長楽寺

(ちょうらくじ)

長楽寺は、徳島県三好市井川町中岡に位置する、真言宗御室派の寺院です。山号は西方山、本尊は阿弥陀如来で、阿波西国三十三観音霊場の西部16番札所として知られています。また、四国阿波八供養菩薩霊場「金剛嬉菩薩」の霊場でもあり、多くの巡礼者が訪れる寺院です。

概要

長楽寺は国道192号線から南に少し入った高台に位置しており、参拝者は無料駐車場から石段を登り、朱色の山門をくぐると広がる境内にたどり着きます。車道も整備されており、綱付山(標高580メートル)の北東山麓にある境内へは容易にアクセス可能です。

寺院の創建年や由来については未詳な部分が多くありますが、地元の「井川町史」によると、近世初期までは「岡の坊」として井川町野津後の岡の前に存在していた小寺でした。1651年(慶安4年)に宥尊によって現在地に移転され、阿波志には箸蔵寺の下寺として記されています。

境内と本堂

本堂

長楽寺の本堂は、荘厳かつ静寂な雰囲気に包まれ、参拝者が心の平穏を求めて訪れる場所です。本尊である阿弥陀如来像が鎮座し、脇仏として十一面観音立像が安置されています。この十一面観音像は、阿波西国16番札所としての本尊であり、女法(ねほう)廃寺の本尊として伝えられています。

文化財

長楽寺には数々の文化財が保存されており、その歴史と文化的価値は徳島県内外でも広く認識されています。

重要文化財

絹本著色楊柳観音像: 元朝初期(1330年前後)の作であり、明治43年に旧国宝に指定されました。美しい彩色と繊細な表現が特徴で、時代を超えて多くの人々の信仰を集めています。

徳島県指定文化財

弘法大師行状曼荼羅 4幅: この曼荼羅は、宇和島藩主伊達家の姫君である貞寿尼によって描かれた作品で、天保年間に讃岐金毘羅松尾寺に奉納されたものです。昭和46年2月22日に徳島県指定文化財として登録され、その宗教的・芸術的価値が評価されています。

町指定文化財

十一面観音立像: 本尊脇仏であり、阿波西国16番札所の本尊です。女法廃寺から伝わったもので、像高92センチメートルの鎌倉時代後期の作とされています。昭和59年8月に町指定文化財として認定されました。

歴史的背景

長楽寺の歴史は、地元の信仰と深く結びついています。特に近世初期までは井川町野津後にあった小さな寺院「岡の坊」として存在し、1651年(慶安4年)に宥尊が現在の場所に移転させたとされています。この移転により、寺院は地域の人々の信仰を集め、霊場としての役割を果たすことになりました。

また、箸蔵寺の下寺としての位置づけもあり、阿波西国三十三観音霊場の一部として巡礼者を迎える役割を担っています。

アクセス情報

長楽寺へのアクセスは非常に便利です。JR土讃線「佃駅」から徒歩約10分の距離に位置しており、参拝者は気軽に訪れることができます。また、近くには国道192号線が通っており、車でのアクセスも容易です。

まとめ

長楽寺は、徳島県三好市の高台に静かに佇む真言宗御室派の寺院であり、地域の人々や巡礼者にとって重要な信仰の拠り所です。境内には歴史的な文化財が多く残されており、その荘厳な雰囲気は訪れる人々に深い感銘を与えます。

歴史や文化に触れるとともに、静寂の中で心を落ち着ける場所として、長楽寺は徳島県を訪れる際にぜひ足を運びたい寺院の一つです。

歴史的背景や文化財の価値、そして自然豊かな環境の中で過ごすひとときは、現代の喧騒を離れ、心の平安を取り戻す機会となるでしょう。

Information

名称
西方山 長楽寺
(ちょうらくじ)

大歩危・小歩危・祖谷渓

徳島県