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鴨神社(東みよし町)

(かも じんじゃ)

鴨神社は、徳島県東みよし町に位置する歴史深い神社です。創建の詳細は不詳とされていますが、貞観2年(860年)以前に京都の賀茂別雷神社を勧請したと伝えられています。江戸時代には「賀茂大明神」や「加茂皇太神」と呼ばれていましたが、明治時代に入り「鴨神社」として改称されました。現在も多くの参拝者に親しまれ、神社周辺には自然豊かな社叢林も見られます。

歴史と創建

鴨神社の創建については詳しい記録が残されていませんが、京都の賀茂別雷神社を勧請し、地元の信仰を集める場として長い歴史を刻んできました。特に江戸時代には「賀茂大明神」や「加茂皇太神」として人々に崇拝されてきましたが、明治3年には正式に「鴨神社」に改称されました。

近代における鴨神社の発展

1875年(明治8年)には郷社に指定され、地域の信仰の中心としての役割を果たし続けています。また、昭和46年には社宝や文化財としての重要性も認められ、地元の文化財として大切に保存されています。

鴨神社の祭神

鴨神社では、以下の神々を祭神としてお祀りしています。

境内社

鴨神社の境内には、いくつかの小さな神社も祀られており、地域の多くの神々がここで崇拝されています。

交通アクセス

鴨神社へは、以下の交通手段を利用してアクセスが可能です。

文化財としての価値

鴨神社の絵画 - 渡辺広芳の三十六歌仙絵額

鴨神社の拝殿には、江戸末期の画家、渡辺広芳による「三十六歌仙絵額」が奉納されています。この絵額は、安政4年(1857年)に加茂村の庄屋、三木吉直が発願主となり、地元有志と共に神社へ奉納したものです。三十六歌仙の歌人たちの姿が描かれており、神社の重要な文化財の一つとされています。

徳島県文化財保護審議会の河野太郎先生はこの作品を「住吉派の画風を受け継ぐが、渡辺広輝よりも線が太い」と評し、その保存状態も非常に良好であると述べています。この絵額は、昭和46年12月17日に町指定の有形文化財(絵画)として登録されています。

鰐口(わにぐち)

鴨神社には、慶長の時代(1596年~1615年)を代表する大型の鰐口も奉納されています。この鰐口は、表裏に陰刻された銘文があり、金石文資料としても非常に貴重なものとされています。

無形文化財 - 神おくり神事

鴨神社の例祭の晩には、「しめあげ」と呼ばれる伝統的な神事が行われています。この神事では、神主が当家に赴き、「神おくりの歌」を古式に則って歌いながら、土器(かわらけ)を三本の箸で叩く儀式が行われます。この歌は六節からなり、代々の神主のみが伝承してきた秘法とされています。「神おくり神事」は、安鎮祭とも呼ばれ、鴨神社の無形民俗文化財として大切に守られています。

まとめ

鴨神社は、徳島県東みよし町に位置する歴史と伝統に満ちた神社です。地域の人々に愛されるとともに、文化財としても大切に保存されています。鴨神社を訪れることで、古の神々と深いつながりを感じることができるでしょう。訪れる際には、歴史的な文化財や伝統的な神事に触れながら、静かなひとときをお過ごしください。

Information

名称
鴨神社(東みよし町)
(かも じんじゃ)

大歩危・小歩危・祖谷渓

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