徳島の剣山系には古くからくるみの木が自生しており、ここを水源とする貞光川に大水が出た際には、下流に木や実が流れ着いたと言われている。それらがつるぎ町で育ち、毎年沢山の実をつける。つるぎ町の菓子店「ふじや」では、この縁ある“くるみ”を使った菓子を作ろうと考え、生まれたのが“くるみ揚げまんじゅう”だ。くるみを混ぜた程よい甘味の白あんを、小麦、卵、砂糖、脹らし粉のみで作った生地で包んで揚げた菓子で、“まんじゅう”というよりは、昔ながらのあんドーナツ。くるみの豊かな香りが口中に広がるおいしさを楽しむことができる。製造元の「ふじや」は、霊峰「剣山」の山懐・つるぎ町に位置し、阿波の山村に伝わる雑穀類や伝統食文化を取り入れた菓子を製造・販売する創業100年の和菓子工房。水は剣山の山懐より伏流水をくみ上げている。“田舎へぎ餅”のほか、阿波の特産“ういろう”なども人気だ。