三木家住宅は、徳島県美馬市木屋平字貢に位置する日本の古民家です。この住宅は、日本国の重要文化財に指定されており、その歴史的価値から訪れる多くの観光客を魅了しています。また、隣接する三木家資料館も、三木家の歴史や文化を詳しく学べる場所として知られています。
三木家住宅は、江戸時代前期(17世紀)に阿波三木氏の一族が建設したもので、現在も三木家の本家筋によって管理されています。この住宅は、阿波国麻植郡三ツ木村に位置し、建築当時の貴重な山岳武士の家屋状況を伝えるものです。
阿波三木家は、古代大和朝廷の大嘗祭において忌部の民として重要な役割を果たしてきました。三木家住宅は、そうした歴史を背負った家系の本拠として建てられたもので、郷士(地方武士)としての一族の栄えた時代を感じさせる貴重な遺構です。
隣接する三木家資料館では、歴代の三木家に関する文書や資料が展示されています。その中でも「三木家文書」は、徳島県の有形文化財に指定されています。これらの資料は、阿波の歴史や文化を理解する上で非常に重要なものとされています。
三木家住宅は、南面に木造平屋建ての寄棟造で、茅葺きの屋根が特徴です。建物の桁行は22.2メートル、梁間は9.3メートルあり、広い屋内空間を持っています。建物内には、土間や囲炉裏があり、当時の生活様式が色濃く残されています。
屋内は八間取りで、当初は2間の土間がありましたが、後に1間を増設して現在では3間の土間があります。囲炉裏の間も備えており、当時の生活風景を彷彿とさせます。座敷は4間あり、特に北東の隅に位置する「テングノマ」という家主専用の部屋が特徴です。
また、厠は座敷の奥に設けられており、東側に位置する囲炉裏の間とともに、北に延びた廊下で繋がれています。これらの配置は、当時の建築様式を忠実に再現しており、歴史的な価値が高いものです。
三木家住宅に隣接する三木家資料館では、三木家に伝わる貴重な文書や資料が展示されています。これらの資料は、三木家の歴史や阿波地方の文化を知る上で欠かせないものです。中でも「三木家文書」は、徳島県の有形文化財に指定されており、多くの歴史学者や研究者にとって重要な資料とされています。
三木家資料館は、地元のボランティアによって運営されています。そのため、開館時間や休館日はボランティアの都合に左右されることがあります。訪問の際は、事前に確認することをお勧めします。
三木家住宅と三木家資料館は、無料で見学することができます。ただし、住宅に関しては外観のみの見学が可能です。内部の見学については事前に問い合わせが必要です。
原則として、三木家住宅および資料館は土日祝日に開館しています。平日は閉館していますが、緊急の事情により土日祝日でも閉館されることがありますので、訪問前に確認することをお勧めします。
開館時間は10時から16時までです。場所が四国山地の南中腹に位置しているため、冬季は積雪や道路の凍結が予想されます。そのため、12月から3月までは冬季休業となり、この期間は見学ができません。
三木家住宅は郊外に位置しているため、訪問には自家用車やタクシーの利用が推奨されます。施設には普通自動車15台分の駐車場が完備されており、駐車には困りません。
徳島自動車道脇町ICから国道193号を南下し、脇町にて国道492号に移ります。さらに南下し、三ツ木簡易郵便局を過ぎた地点に案内看板が立っています。そこから山道を進み、道標に従って約3.5キロメートル進むと三木家住宅に到着します。脇町ICからは約1時間ほどの距離です。
JR四国徳島線の穴吹駅からタクシーで約50分、もしくは美馬市営バス「穴吹・木屋平」線に乗車し、竹屋敷停留所で下車後、徒歩約1時間超で到着します。ただし、バスを利用する場合は徒歩の時間が長くなるため、車での訪問がより便利です。
三木家住宅は、江戸時代前期の山岳武士の生活様式を現代に伝える貴重な文化財であり、訪れる人々に歴史と文化の深さを感じさせます。隣接する三木家資料館では、三木家に関する貴重な文書や資料が展示されており、地域の歴史を学ぶことができます。四国山地の美しい自然に囲まれたこの場所は、歴史愛好者や文化財に興味のある方にとって訪れる価値のあるスポットです。