織本屋は、徳島県美馬郡つるぎ町に位置する歴史的建造物で、旧折目家住宅とも呼ばれます。この建物は国の登録有形文化財に指定されており、地域の貴重な文化財として保存されています。また、にし阿波お勧めビューポイント100選にも選定され、観光名所としても注目されています。
織本屋は、旧貞光町の中心に位置し、かつては酒造業を営む商家として栄えていました。特徴的なのは、建物の二層うだつです。二層うだつとは、江戸時代から明治時代初期にかけて建築された伝統的な町屋建築の一つで、屋根の部分に装飾が施された「うだつ」と呼ばれる防火壁が、さらに二層に重なっているのが特徴です。これは商家の富と地位を象徴するもので、当時の繁栄をうかがい知ることができます。
織本屋の玄関は、かつての商家の威厳を感じさせる立派な作りとなっています。江戸時代の伝統を受け継いだ造りであり、下側は葺き下ろしの屋根、上側は切り妻造りになっています。この二層にわたるうだつは、防火機能を備えつつ、美しい装飾としても注目されます。
外壁には、職人によって施された鏝絵(こてえ)が見られます。これは、漆喰を使用した彫刻で、寿福を祈願する模様や装飾が建物の前面に描かれており、当時の職人技術の高さを今に伝えています。
織本屋(旧折目家)は、代々酒造業を営んできた家系です。明治時代初期には、当時の繁栄を象徴する建物として再建され、そのままの姿を残しています。商家としての機能を持ちながらも、建物は地域の憩いの場としても活用されており、観光客が訪れるスポットとなっています。
織本屋は2006年(平成18年)3月27日に国の登録有形文化財に指定されました。この指定は、建物が歴史的な価値を持つことを国が認めた証であり、保存状態が良好であることが評価されています。
織本屋が位置する二層うだつの町並みは、徳島県美馬郡つるぎ町の名勝です。四国八十八景の10番目に選定され、さらににし阿波お勧めビューポイント100選にも選ばれています。旧貞光町の町並みは、明治時代初期に完成した町屋文化を反映しており、商家や民家が連なる風景が美しいと評されています。
二層うだつの町並みは、徳島県美馬市にある旧脇町のうだつの町並みとは異なり、明治時代初期に形成された独特の町屋文化を感じさせます。町並みを歩くと、寿福を祈念する鏝絵が施された住宅がいくつも続いており、当時の繁栄と文化がそのまま残されています。
この町並みでは、地元の観光ガイドによる案内ツアーも行われています。特に織本屋は、代表的な建物として注目され、町並みの中でもその歴史的価値や建築様式を詳しく知ることができます。江戸時代から明治時代にかけての町屋文化や商家の生活を垣間見ることができる、貴重な観光体験を提供しています。
二層うだつの町並みには、他にもいくつかの歴史的建造物や観光スポットがあります。以下はその主な施設です:
二層うだつの町並みへは、徳島自動車道「美馬インターチェンジ」から車で約10分の距離にあります。高速道路からも近く、便利なアクセスが可能です。
また、公共交通機関を利用する場合は、JR徳島線「貞光駅」より徒歩で約15分です。駅から町並みまでの道のりも風情があり、観光の一部として楽しむことができます。
織本屋とその周辺の二層うだつの町並みは、歴史的な価値だけでなく、現代においても多くの人々に愛される観光地です。町屋文化の美しさや、商家としての繁栄の跡が残る建物群は、訪れる人々に過去の日本の姿を伝え、感動を与えます。ぜひ、徳島県つるぎ町を訪れ、織本屋を含む歴史ある町並みを歩いてみてください。