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五剣山 東福寺

(ごけんざん とうふくじ)

東福寺は、徳島県美馬郡つるぎ町に位置する、真言宗御室派の寺院です。山号は五剣山、院号は宝光院、本尊は不動明王であり、重要な霊場として地域に親しまれています。また、「新四国曼荼羅霊場70番札所」として知られ、にし阿波のおすすめビューポイント100選にも選定されています。

歴史

東福寺の創建は古く、724年(神亀元年)に遡ります。当初は「法福寺」として建立され、忌部神社の法楽として祀られていました。その後、寺名は「東福寺」に改称されました。また、伝承によれば、812年(弘仁3年)には空海がこの地を訪れ、東福寺の創設に関与したとも言われています。

1582年(天正10年)には、四国を統一しようとした戦国武将・長宗我部元親の兵火によって寺院は焼失しましたが、1597年(慶長2年)に僧・宝光によって再興され、「宝光院」と名を改めました。しかし、その後も東福寺は幾度かの災難に見舞われ、1805年(文化2年)に再び焼失。現在の建物は1833年(天保4年)に再建されたもので、現在に至っています。

文化財

国の登録有形文化財

東福寺の本堂は、2012年(平成24年)2月23日に国の登録有形文化財として認定されました。江戸時代後期に再建された本堂は、歴史的価値が高く、地域の信仰の中心地としての役割を果たしています。

つるぎ町指定文化財

また、東福寺の山門は1976年(昭和51年)4月1日、つるぎ町の指定文化財として認定されています。この山門は、東福寺の入口を飾る風格ある建造物で、多くの参拝者がその荘厳さに心を打たれます。

新四国曼荼羅霊場

東福寺は「新四国曼荼羅霊場」の70番札所に位置し、四国4県に広がる88か所の霊場の一つとして、多くの巡礼者が訪れます。周辺の寺院としては、69番札所の「神宮寺」、71番札所の「報恩寺」があります。これらの霊場は、四国地方における神仏習合の信仰を象徴しています。

アクセス

東福寺へのアクセスは、車が便利です。徳島自動車道「美馬インターチェンジ」から車で約5分の距離にあり、公共交通機関を利用する場合でも比較的訪れやすい場所に位置しています。つるぎ町は、山々に囲まれた自然豊かな場所で、四季折々の風景を楽しみながら参拝できるのも魅力の一つです。

周辺観光情報

東福寺を訪れる際には、つるぎ町やその周辺の観光も楽しむことができます。つるぎ町には、四国の名山「剣山」があり、ハイキングや自然散策が楽しめます。また、近隣には美しい景観を持つ温泉地も点在しており、心身を癒すことができるスポットが多数存在します。

剣山

剣山(つるぎさん)は四国第二の標高を誇る山で、徳島県を代表する観光地です。登山初心者から経験者まで幅広い層が楽しめるコースが整備されており、山頂からは四国山地や太平洋の絶景を望むことができます。登山シーズンには多くの登山客で賑わい、自然の美しさを堪能できる場所です。

温泉地

つるぎ町周辺には、天然温泉を楽しめる施設も多くあります。登山や観光で疲れた体を癒すには、こうした温泉施設の利用が最適です。地元の名産品を味わいながら、ゆったりと過ごすひとときは、訪れる人々に至福の時間を提供します。

まとめ

東福寺は、その長い歴史と豊かな文化遺産、さらに新四国曼荼羅霊場としての宗教的な意義を持つ徳島県つるぎ町の名刹です。訪れる際には、周辺の自然や文化遺産も合わせて楽しむことで、より深い感動を得られるでしょう。四季折々の美しい風景の中で、心静かに参拝し、歴史に思いを馳せるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
五剣山 東福寺
(ごけんざん とうふくじ)

大歩危・小歩危・祖谷渓

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