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南前山 地福寺

(じふくじ)

地福寺は、徳島県三好市井川町井内東にある真言宗御室派の寺院で、山号は南前山と称します。本尊は大日如来で、新四国曼荼羅霊場66番札所、阿波西国三十三観音霊場15番札所、四国阿波八供養菩薩霊場「金剛香菩薩」に指定されています。この寺院は、古くから地域の信仰の中心地として多くの人々に親しまれてきました。

寺院の概要

地福寺は、徳島県の美しい自然に囲まれた場所にあり、古くからの歴史を有する寺院です。その歴史は、室町時代まで遡るとされ、当時は日ノ丸山の中腹に位置していたと伝えられています。ここは、源平合戦や南北朝時代の歴史的な出来事とも深く関わりがあり、特に平家の赤旗に関する伝説が有名です。

本尊と札所

地福寺の本尊は大日如来であり、多くの参拝者がこの仏像を拝むために訪れます。また、この寺院は新四国曼荼羅霊場66番札所、阿波西国三十三観音霊場15番札所として、多くの巡礼者が巡礼の旅の一環として訪れる場所でもあります。

地福寺の歴史

起源と室町時代までの歴史

地福寺の創建は古く、室町時代には日ノ丸山の中腹に位置していたと伝えられています。この寺院は、時代を通じて地域の歴史や文化と深く結びつき、重要な役割を果たしてきました。

屋島の戦いと平家の赤旗

源平合戦における屋島の戦いで敗れた平教経が、安徳天皇を守護してこの地に一時滞在したという伝説が残されています。教経は地福寺に仮住まいし、平家の赤旗二流を寺に残して祖谷の地へ逃れたと伝えられています。この赤旗は昭和の時代に発見され、現在では寺院に平和の象徴として展示されています。

平家の赤旗にまつわる伝承

平教経が持参したとされる二流の赤旗は、地福寺に現存しており、源平合戦の象徴的な遺物として注目されています。南北朝時代の源氏の白旗とともに、歴史的な争いの象徴として、今日では平和を祈る場所である地福寺に展示されています。この赤旗は、歴史的な出来事を想起させる貴重な文化財として、多くの訪問者に感銘を与えています。

文化財

地福寺は、いくつかの重要な文化財を所有しています。その中でも、徳島県指定の有形文化財として以下のものが挙げられます。

地福寺大般若経・附唐櫃三合

この大般若経は、1986年(昭和61年)に徳島県指定の有形文化財として登録されました。大般若経は、日本の仏教文化において非常に重要な経典であり、長い歴史を持つ地福寺が所有することは、その宗教的・文化的価値を高めています。

大日如来坐像

1992年(平成4年)には、大日如来坐像が徳島県指定の有形文化財として登録されました。この仏像は、地福寺の本尊であり、多くの参拝者がこの仏像に手を合わせ、祈りを捧げています。

地福寺へのアクセス

地福寺は、四国旅客鉄道(JR四国)の徳島線に沿って位置しており、辻駅から車で約10分の場所にあります。訪問者は、豊かな自然に囲まれたこの寺院を目指して、静かな時間を過ごすことができます。

交通手段

地福寺へのアクセスは、公共交通機関を利用することが可能です。最寄り駅である辻駅から車を利用するか、または周辺の観光と併せて訪れることをお勧めします。また、寺院周辺には他の札所も点在しているため、巡礼の一環として訪れるのにも便利な立地です。

周辺の札所

地福寺は新四国曼荼羅霊場の66番札所であり、巡礼ルートの重要な一環を担っています。前後の札所には、65番の願成寺、67番の瀧寺があります。これらの札所を巡ることで、徳島県の仏教文化や歴史に触れることができ、精神的な充足感を得ることができます。

まとめ

地福寺は、歴史的な伝承や文化財を持つ徳島県三好市の重要な寺院です。平家の赤旗にまつわる伝説や、源平合戦の遺物など、歴史の一部を感じられる場所として、多くの参拝者や観光客に親しまれています。また、寺院内に展示されている文化財も、その価値が高く評価されています。巡礼者にとっては、霊場巡りの一環として訪れる価値のある寺院であり、地元の文化や歴史を体感する場所となっています。

Information

名称
南前山 地福寺
(じふくじ)

大歩危・小歩危・祖谷渓

徳島県