慈眼寺穴禅定修行
穴禅定では、弘法大師が修行を行ったとされる鍾乳洞で、ロウソクの明かりだけを頼りに寺の先達によって案内されます。洞窟内は非常に狭く、一部では幅がわずか28センチメートルしかない箇所を通り抜ける修行です。この修行は、心身を鍛えるために訪れる人々にとって非常に貴重な体験となっています。
穴禅定の体験
修行用の白衣と藁草履(有料)を借り、先達の指示に従いながら、洞窟内をロウソク1本だけで進みます。洞窟の全長は約100メートルですが、拝観にはおおよそ2時間を要します。また、体格が大きい方や閉所恐怖症の方は、この修行を行うことができません。入洞期間は3月1日から11月30日までで、悪天候時や8月13日から15日までは入洞できない点に注意が必要です。
料金と案内
穴禅定の修行には、案内料金が発生します。3人以上であれば一人当たり1000円、一人であれば3000円、二人の場合は一人当たり1500円となります。案内は慈眼寺の先達によって行われ、歴史や修行の意義について詳しい説明を受けることができます。
穴禅定の伝承
弘法大師がこの地を巡っていた際、深山幽谷に霊気が漂う不思議な鍾乳洞を発見しました。洞窟の入口で護摩祈祷を行ったところ、悪龍が現れ、猛然と空海に襲い掛かりましたが、大師はその法力によって悪龍を洞窟の奥深くに封じ込みました。この伝説は、現在でも修行者たちに語り継がれており、訪れる人々に大きな影響を与えています。
体験時の服装と注意事項
動きやすい服装と靴
穴禅定を体験する際には、動きやすく汚れても良い服装で参加することが推奨されています。また、靴は歩きやすく滑りにくいものを選ぶことが重要です。洞窟内は狭く険しいため、身軽な格好で臨むことが快適な修行のためのポイントとなります。
注意が必要な方
次の方は、穴禅定の修行を行うことができないため、予めご了解ください。
- 体格が大きく、幅30センチメートルの通路を通過できない方
- 心臓病や妊娠中などで医師から激しい運動を禁じられている方
- 閉所恐怖症の方
慈眼寺
寺院の歴史と背景
慈眼寺は、徳島県上勝町にある高野山真言宗の寺院で、山号は月頂山、院号は宝珠院と号します。本尊は十一面観世音菩薩で、四国八十八箇所霊場第二十番札所の奥の院に位置し、四国別格二十霊場の第三番札所としても知られています。
寺院内の施設
- 大師堂:本坊にあり、弘法大師の像が拝観できる堂宇です。
- 護摩堂:不動明王を祀り、参拝者が入堂して祈りを捧げることができます。
- 蔵王権現堂:2015年に新築され、蔵王権現を本尊として祀っています。
- 孝慈之石門:幸白衣観音が立つ石門で、参拝登山道沿いにミニ八十八箇所が点在しています。
文化財と天然記念物
慈眼寺は、いくつかの重要な文化財や天然記念物を有しています。その一例として、本尊の十一面観音菩薩立像があり、1976年に上勝町指定の有形文化財として指定されました。また、鍾乳洞自体も上勝町の指定天然記念物となっています。
周辺の自然と観光スポット
灌頂ヶ滝
灌頂ヶ滝(かんじょうがたき)は、「御来仰の滝」とも呼ばれ、寺院へ向かう車道脇にあります。落差約70メートルの直瀑で、その荘厳な姿は訪れる人々に感動を与えます。渇水時には水量が少なくなることがありますが、滝の周囲には竜神を祀る祠もあり、霊的な雰囲気が漂います。
雄淵・雌淵
灌頂ヶ滝の下流には、雄淵(おんぶち)と雌淵(めんぶち)という自然の美しい景勝地があります。これらの淵は藤川谷川の支流である関ケ谷川に位置し、静かな水の流れと美しい自然の景観が楽しめます。
アクセス情報
慈眼寺へのアクセスは、車での移動が便利です。徳島駅から車で約60分の距離にあり、山道を登る途中に多くの自然美を楽しむことができます。また、寺院の周辺は四季折々の風景が楽しめ、特に春の桜や秋の紅葉が美しい名所として知られています。