3つの系統に分かれる徳島ラーメンのバリエーション
徳島ラーメンは、発祥地の違いによって白・茶・黄の3つの系統に分類されます。それぞれの系統によってスープの味や濃さが異なり、多様な味わいが楽しめます。
白系(小松島系)
白系は、とんこつスープに白醤油や薄口醤油を合わせた、比較的あっさりとした味わいが特徴です。コクはありながらも軽やかな口当たりで、スープの透明感が高いのも魅力です。
茶系(徳島系)
茶系は最もポピュラーなスタイルで、濃厚な豚骨スープに濃口醤油やたまり醤油を加えた、こってりとした味わいが特徴です。生卵</strongがトッピングされることが多く、まるですき焼き風ラーメンのような贅沢な味わいが楽しめます。
黄系(鳴門系)
黄系は、鶏ガラや野菜を主体としたスープに薄口醤油を加えた、比較的あっさりとした味が特徴です。色合いも明るく、どこか昔ながらの中華そばを思わせる、懐かしい味わいです。
スープとトッピングの個性が光る
スープの原材料は、主に豚骨と鶏ガラをベースにしていますが、店によっては昆布・鰹節などの魚介出汁や、ニンニク・玉ねぎなどの香味野菜、さらには山椒・胡椒といった香辛料を加えて、より深い味わいに仕上げています。
豚バラ肉の甘辛煮
チャーシューの代わりに使われるのが、豚バラ肉の甘辛煮です。醤油・砂糖・みりん・酒で煮付けられたこの肉は、とろけるような食感と濃厚な味わいがスープと絡み、クセになる美味しさです。肉の部位や味の濃さ、カットの厚みにもお店ごとの個性が見られます。
生卵トッピング
特に茶系ラーメンでは、生卵が定番トッピングとなっています。熱々のスープの中で卵がほんのり半熟になり、まろやかさが加わってまるですき焼きのような味わいに。これを白ごはんと一緒に楽しむのが、徳島ラーメンの醍醐味です。
麺や具材にも地域性が
徳島ラーメンの麺は、短めでストレート、やや柔らかめの仕上がりが特徴です。スープや具材との絡みがよく、食べやすさが際立ちます。
具材としては、青ネギ、メンマ(実際はタケノコの水煮)、モヤシなどが一般的です。見た目のシンプルさとは裏腹に、丁寧に調理された具材はラーメン全体の完成度を高めています。
70年以上の歴史を持つ徳島ラーメン
徳島ラーメンの歴史は古く、戦後間もない1949年頃に屋台から始まりました。夜鳴きそばや大衆食堂のラーメンとして人気を集め、地元の人々の食欲を満たしながら70年以上にわたって進化を遂げてきました。
現在では県内外に多くのファンを持ち、徳島を訪れる観光客にとっても必食の名物グルメとして親しまれています。
徳島ラーメンを楽しめるエリア
徳島市内を中心に、小松島市、鳴門市など県内各地に個性あふれるラーメン店が点在しています。系統の違いを食べ比べてみるのも、旅の楽しみのひとつです。