施設概要
エスカヒル鳴門は、鳴門山山頂の展望台と中腹の売店棟を結ぶエスカレーターで構成されています。標高差45mの間を2連4台のエスカレーターが繋ぎ、全長80mのうち68mは当時日本一の高低差を誇りました。施設は鳴門観光興業株式会社によって運営され、営業時間は季節により異なりますが、主に夏期は8時から17時、冬期は9時から17時までとなっています。
カフェとお土産
中腹に位置する売店棟では、地元の特産品を取り揃えたお土産の販売や、カフェ「パークイン」で軽食が提供されています。特におすすめなのが、名物の金時芋ソフトクリームや阿波尾鶏を使ったコロッケなど、四国ならではのグルメが堪能できます。
展望台からの絶景
展望台からは、大鳴門橋の全景と鳴門海峡が一望できます。天候が良い日は、小豆島や和歌山県までも眺めることができ、春には桜が満開の景色がエスカレーターからも楽しめます。また、鳴門海峡は鷹の渡りの観察スポットとしても知られ、秋には多くのバードウォッチャーが訪れます。
エスカレーターの特徴
シースルー構造と景観
エスカヒル鳴門のエスカレーターは、長さ68m、高低差34mのものと5.75mのものを含む4台で構成されています。日立製作所のCX型エスカレーターで、シースルー構造が採用されており、ガラス張りの天井と壁から外の景色が見渡せます。周辺にはサクラやツツジ、スイセンなどの花々が咲き、特に春にはエスカレーターに乗りながら美しい桜を楽しむことができます。
設置の工夫
エスカレーターは2台に分割されており、途中に踊り場があります。これは事故や故障への備えや、高所恐怖症の人への配慮、長時間の乗車による疲労軽減などを目的としています。さらに、海に近いことから高い耐久性を求められ、ステンレス鋼が主要素材に使用されています。エスカレーターの幅は80cmで、1時間に6,000人を輸送できる能力を誇ります。
利用料金とセット券
2018年時点の利用料金は、エスカレーターの往復利用で大人400円、小人100円(幼児は無料)となっています。また、渦潮を観覧できる「渦の道」とのセット券も販売されています。
施設の歴史
エスカヒル鳴門の前身は、鳴門観光興業株式会社が1969年に建設した屋外リフトです。リフトは鳴門山山頂へと観光客を運び、そこから鳴門の渦潮を眺めるのが人気でした。しかし、バリアフリー化や高齢者や子供の利用を考慮し、1988年に現在のエスカレーターに置き換えられました。建設地が瀬戸内海国立公園内にあったため、環境庁(現:環境省)の許可を得て、1989年にエスカヒル鳴門が正式にオープンしました。
観光名所としての発展
大鳴門橋の開通により、観光客が急増し、年間約30万人がリフトを利用するようになりました。これを受けて、エスカレーターの設置が決定され、完成時には日本一の高低差を誇るエスカレーターとなりました。現在でも、多くの観光客が鳴門の自然と展望を楽しむために訪れています。
交通アクセス
エスカヒル鳴門へのアクセスは、車が便利です。神戸淡路鳴門自動車道鳴門北インターチェンジから約5分、JR鳴門線鳴門駅からは車で約15分です。駐車場は鳴門公園内の有料駐車場を利用できます。また、エスカレーターを使わずに、自然遊歩道「四国のみち」を歩いて登ることも可能です。
まとめ
エスカヒル鳴門は、鳴門海峡や大鳴門橋の絶景を楽しめる人気の展望施設であり、日本一のエスカレーターを体験できる貴重な観光スポットです。季節ごとの美しい景色や、地元のグルメが楽しめるカフェ、自然豊かな遊歩道など、訪れる度に新たな魅力を発見できる場所となっています。徳島を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。