博物館の特長
徳島県立博物館は、考古・歴史・民俗・美術工芸の人文系4分野と、動物、植物、地学の自然系3分野を併せ持つ四国唯一の総合博物館です。常設展示では、「徳島の自然と歴史」というテーマのもと、日本列島と四国の形成から、徳島の歴史と文化、さらには現在の自然環境に至るまでを総合的に展示しています。
企画展とイベント
博物館では年に3回程度の企画展が開催されており、歴史体験や自然観察、室内実習など、多様なイベントも実施されています。これにより、訪れる人々は博物館の展示を通じて学びながら、楽しむことができます。
施設案内と展示内容
徳島県立博物館は、3階建ての建物で構成されており、各階で異なる展示が行われています。具体的な展示内容は以下の通りです。
1階 - 企画展示室
1階には企画展示室があり、特別な展示やイベントが行われます。ここでは地域の文化や歴史に関するさまざまなテーマが取り上げられます。
2階 - 常設展示室
2階の常設展示室のテーマは「徳島まるづかみ-”いのち”と”とき”のモノ語り-」です。このフロアでは以下のような展示が行われています。
- 徳島セクション
- 徳島恐竜コレクション
- 地質時代の徳島(化石など)
- 先史・古代の徳島(銅鐸など)
- 中世の徳島(三好長慶など)
- 近世の徳島(阿波藍など)
- 近現代の徳島(徳島大空襲など)
- 徳島のまつりと芸能(阿波人形浄瑠璃など)
- 徳島の自然とくらし(吉野川など)
- コレクションセクション - 定期的に展示替えが行われる。
- 地球セクション - 地球規模の資料が展示されている。
- コミュニケーションゾーン - 来館者同士や職員との交流のためのスペース。
3階 - 講座室・実習室・事務室
3階には講座室や実習室、事務室があります。ここでは、さまざまなワークショップや講座が開催されており、来館者がさらに深く学べる環境が整っています。
屋外 - 伝承の森
屋外には「伝承の森」があり、自然を楽しみながら学ぶことができるスペースです。このエリアでは、地域の伝説や文化をテーマにした展示も行われています。
博物館の歴史
徳島県立博物館の前身は、1959年(昭和34年)に開館した徳島県博物館です。この博物館は、当初現在の阿波おどり会館の場所にありましたが、1990年(平成2年)に現在の地に移転し、同年11月3日に新たに開館しました。
年表
- 1990年(平成2年)11月3日 - 徳島県立博物館として開館。
- 2021年(令和3年)8月9日 - 開館30周年を迎え、博物館の全面リニューアルが完了。最新技術を導入し、より充実した展示内容を実現。
コミュニケーションゾーン
コミュニケーションゾーンには、学芸員の紹介展示やデジタルアーカイブ、巨大スクリーン「遊山シアター」があり、さまざまな人との交流を楽しむことができます。このエリアは、徳島の文化や自然についての高精細映像を楽しめるスペースでもあります。
特別展示の一部紹介
徳島恐竜コレクション
徳島県の勝浦川盆地周辺では、約1億3000万年前から1億年前の白亜紀前期の地層が分布しています。これらの地層からは多様な動植物の化石が発見されており、四国初の恐竜化石もこの地域で発見されました。博物館では、これらの貴重な化石を展示し、来館者に徳島の自然史を伝えています。
地質時代の徳島
地質時代の徳島に関する展示では、ナウマンゾウの骨格標本や、宍喰の国指定天然記念物「化石漣痕」のレプリカが紹介されています。四国地方は異なる時代の岩石や地層が帯状に並んでおり、その成り立ちを学ぶことができます。
先史・古代の徳島
この展示では、約2万年前から11世紀までの徳島の歴史を紹介しています。特に、銅鐸や埴輪などの展示が豊富で、当時の人々の生活や文化を感じることができます。特に、VRドアを利用して、古墳の横穴式石室を体験できるコーナーも設けられています。
中世の徳島
中世の徳島をテーマにした展示では、板碑や三好長慶に関連する資料が紹介されており、当時の政治や社会状況がわかります。また、VR体験ルームでは恐竜化石発掘体験やアユ釣り体験ができるプログラムも用意されています。
近世から近現代の徳島
近世は主に安土桃山時代から江戸時代までを指し、近現代は明治から昭和にかけての徳島の様子を紹介しています。藍染めや特産物に関する展示が充実しており、当時の人々の暮らしや産業について学ぶことができます。
まとめ
徳島県立博物館は、徳島の自然と歴史を総合的に学ぶことができる貴重な施設です。様々な展示やイベントが開催されており、訪れる人々に深い感動を与えています。徳島を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。