博物館の歴史と設立経緯
この博物館は、1964年(昭和39年)に鳴門市撫養町林崎にあった旧徳島県立鳥居記念博物館として開館しました。当初は妙見山公園内に位置し、撫養城跡に天守閣を模した建物にありましたが、2010年に現在の徳島市文化の森総合公園内に移転しました。新しい施設は、鳥居龍蔵博士の業績をより深く学ぶことができる現代的な環境が整っています。
鳥居龍蔵博士とは?
鳥居龍蔵(1870年 – 1953年)は、徳島県出身の人類学者であり、考古学・民族学にも多大な功績を残しました。彼は、国内外での調査を通じて、アジア各地の文化や歴史を探求し、その成果を学術界に広めました。特に、台湾、朝鮮半島、シベリア、モンゴル、中国など広範囲にわたるフィールドワークで得られた資料や写真は、当時の貴重な文化的記録となっています。
博物館の常設展示
第1展示室:鳥居龍蔵の見たアジア
この展示室では、鳥居龍蔵が東アジアや国内で収集した資料や写真を通じて、彼の調査成果を紹介しています。以下の地域に焦点を当てています。
- 台湾・中国西南部
- 中国東北部・内モンゴル/遼
- 朝鮮半島
- 千島列島・サハリン・シベリア
- 日本列島
これらの地域でのフィールドワークは、当時のアジアの民族や文化を知る上で非常に重要な資料を提供しています。訪問者は、当時の生活や文化について学びながら、鳥居博士の業績に触れることができます。
第2展示室:鳥居龍蔵の生涯
この展示室では、鳥居龍蔵博士の生涯を家族との関係を含めて紹介しています。彼の多様な人脈や交流、南アメリカでの活動も取り上げられています。
- 人類学への志
- 家族とともに
- 南アメリカでの調査
鳥居博士の生涯は、人類学の枠を超えた国際的な活動が特徴的であり、彼がどのようにして世界の文化を理解しようとしたのかを学ぶことができます。
第3展示室:鳥居龍蔵から学ぶもの
この展示室では、鳥居龍蔵の学問的な成果をさらに深く学ぶことができます。パソコンを使った写真検索機能や、子どもでも楽しめる体験学習キットが用意されています。民族衣装の試着や土器パズルなど、楽しく学べる展示も特徴です。
博物館の施設案内
博物館は、徳島県文化の森総合公園の敷地内にあり、徳島県立博物館や徳島県立近代美術館とも隣接しています。施設は主に以下の3階建てで構成されています。
- 1階 - 徳島県立21世紀館
- 2階 - 展示室
- 3階 - 事務室
展示内容は、鳥居龍蔵の業績をわかりやすく学べるよう「鳥居龍蔵の見たアジア」、「鳥居龍蔵の生涯」、「鳥居龍蔵から学ぶもの」の3つのコーナーに分かれています。その他、ロビーには各種展示に関連する書籍や資料も配布されています。
アクセス情報
徳島県立鳥居龍蔵記念博物館は、交通の便が良く、JR徳島駅から以下の手段で訪れることが可能です。
- JR徳島駅から「文化の森」行き、またはバイパス経由「市原」行きバスに乗車し、約25分で「文化の森」バス停に到着します。
- しらさぎ台、一宮、天の原、佐那河内方面行きバスに乗車し「園瀬橋」下車後、徒歩約10分で到着します。
- JR徳島駅から牟岐線「文化の森駅」下車後、徒歩約35分。または「文化の森駅東」バス停から「市原」行きバスに乗車し「文化の森」で下車します。
さらに、2016年からは「文化の森駅」との接続が良くなり、公共交通機関を利用しても容易にアクセスできるようになりました。自然豊かな文化の森総合公園の中で、歴史と学問に触れることができる環境は、学びを深める訪問者にとって最適な環境です。
博物館を訪れる際のおすすめポイント
徳島県立鳥居龍蔵記念博物館は、学術的な内容を提供するだけでなく、親しみやすい展示や体験学習を通して、幅広い年齢層が楽しめる施設となっています。以下の点を押さえて、より充実した訪問を楽しんでみてはいかがでしょうか。
- 家族連れで楽しむ体験学習:展示室内の体験学習キットは、子どもでも楽しめる内容となっており、特に民族衣装の試着や土器パズルは大人気です。
- 研究者も納得の充実した資料:鳥居博士が収集した貴重な資料や写真は、専門的な研究者にも見ごたえのある内容です。展示内容は定期的に更新され、新しい発見があるかもしれません。
- 豊かな自然環境:文化の森総合公園の中に位置するため、博物館を訪れた後は自然豊かな環境でリフレッシュすることができます。周辺の散策もおすすめです。
まとめ
徳島県立鳥居龍蔵記念博物館は、日本を代表する人類学者である鳥居龍蔵博士の功績を顕彰し、その学問的な成果を紹介する貴重な施設です。徳島の歴史や文化、アジアの民族学を学びながら、親しみやすい展示で楽しむことができます。徳島を訪れる際には、ぜひこの博物館にも足を運び、その歴史的価値を体感してください。