歴史的な背景と収集資料
徳島城博物館は、徳島藩とその藩主であった蜂須賀家に関連する貴重な歴史資料や美術工芸品の収集保存、展示公開を行っています。館内には、蜂須賀家政が阿波国に入国してから、廃藩置県までの徳島藩の歴史が詳しく展示されています。博物館は書院造り風の建物で、蜂須賀家の政治的・文化的背景を深く知ることができる内容となっています。
展示テーマ
常設展示室は、次の5つのテーマで構成されています:
- 藩政の変遷
- 大名のくらしと文化
- 城の構え
- 城下町のくらし
- 阿波水軍の活躍
これらのテーマごとに、徳島藩と蜂須賀家にまつわる歴史を様々な角度から掘り下げています。
徳島藩の歴史を紐解く
導入部
導入部では、徳島藩の成立を象徴する甲冑「革包丸龍文二枚胴具足」(複製)が展示されています。これは、初代藩主である蜂須賀至鎮が関ヶ原の戦いに参戦した際に着用したものとされ、蜂須賀家が阿波一国を領有するに至る重要な歴史的な出来事を示しています。この展示品を見た後、来館者は徳島の四季と名所の映像を眺めながら、第1展示室へ進むことができます。
第1展示室: 藩政の変遷
第1展示室では、徳島藩の成り立ちから幕末・維新期までの藩政の変遷をテーマにしています。この展示室では、「関ヶ原合戦図屏風」や「徳川家康感状」などの貴重な資料を通じて、江戸時代における徳島藩の政治的動向が詳細に描かれています。また、「徳島藩領国図屏風」を通じて、当時の阿波の村や町、自然環境の様子も確認できます。
第2展示室: 大名のくらしと文化
この展示室では、蜂須賀家旧蔵の大名道具や近世の阿波の美術工芸品が展示されています。特に、蜂須賀家の居住空間を再現した展示ケースが設けられており、当時の文化や美意識を感じることができます。また、藩主が使用した甲冑や徳島藩の絵師、蒔絵師の作品も展示され、徳島の豊かな文化遺産に触れることができます。
第3展示室: 城の構え
第3展示室は、徳島城そのものをテーマにしています。展示室中央には、縮尺1/50の「徳島城表御殿復元模型」が展示され、当時の徳島城と城下町の姿を再現しています。また、博物館建設時に発掘された遺構や遺物も展示されており、徳島城の歴史的背景をより深く理解することができます。
第4展示室: 城下町のくらし
この展示室では、江戸時代の徳島の城下町のくらしを再現しています。町人の屋敷や商家を模した展示があり、町人文化や経済活動に関する資料が紹介されています。また、徳島城下の繁栄の様子を描いた「阿波名所図会」や、触書を掲示した高札場の展示などもあり、当時の城下町の雰囲気を味わうことができます。
第5展示室: 阿波水軍の活躍
第5展示室では、徳島藩の水軍である阿波水軍をテーマにしています。特に、国の重要文化財に指定されている「徳島藩御召鯨船 千山丸」が目玉展示です。この船は、側面に鮮やかな団扇の絵が描かれ、船の美しさと歴史的価値を同時に感じさせます。また、「徳島藩参勤交代渡海図屏風」など、阿波水軍に関連する資料も展示されています。
旧徳島城表御殿庭園の紹介
博物館に隣接する「旧徳島城表御殿庭園」は、回遊式庭園として国の名勝に指定されています。この庭園は、徳島城の表御殿に設けられたもので、当時の武家文化を感じることができる美しい景観を誇ります。博物館のロビーからも庭園を鑑賞することができ、四季折々の風景を楽しめるスポットです。
施設案内と展示内容
常設展示室
常設展示室では、徳島藩や蜂須賀家に関する資料を基に、次のテーマに沿った展示が行われています。
- 藩政の変遷
- 大名のくらしと文化
- 城の構え
- 城下町のくらし
- 阿波水軍の活躍
企画展示室
企画展示室では、季節ごとの特別展やテーマ展示が行われ、地域文化や歴史に関する新たな視点を提供しています。年に一度の特別展は特に注目され、多くの来場者が訪れます。
その他の施設
館内にはラウンジや学習室、講座室、和室も設けられており、様々なイベントやワークショップが行われています。また、教育普及活動の一環として、子供から大人まで楽しめる学習プログラムも実施されています。
交通アクセス
徳島城博物館へのアクセスは非常に便利です。JR徳島駅から徒歩約10分で、徳島市営バス「徳島公園鷲の門前」バス停からも徒歩約5分の距離にあります。博物館は徳島中央公園内に位置しており、周辺には多くの観光スポットもあるため、観光の合間に立ち寄ることができます。
まとめ
徳島市立 徳島城博物館は、徳島藩と蜂須賀家の歴史を学びながら、国指定名勝の庭園も楽しめる貴重な文化施設です。歴史や美術、庭園の調和が見事であり、観光だけでなく、学習や文化理解の場としてもおすすめの場所です。徳島を訪れる際は、ぜひ立ち寄ってみてください。