徳島県鳴門市に位置するドイツ村公園は、第一次世界大戦の捕虜収容所であった板東俘虜収容所跡を中心に整備された公園で、日本の歴史公園100選にも選定されています。ここでは公園の魅力や周辺観光スポットについて詳しく紹介します。
ドイツ村公園は、第一次世界大戦で捕虜となったドイツ兵士を収容した板東俘虜収容所の跡地に建設された公園です。ドイツ文化が日本に広まるきっかけとなった場所で、日独友好を象徴する重要な歴史的スポットです。公園内には様々な施設があり、日独の交流の歴史を感じられます。
公園内には鳴門市ドイツ館があり、収容所での生活や日本とドイツの交流についての資料が展示されています。また、アーチ型の石橋「ドイツ橋」や、メガネ橋、ばんどうの鐘なども見どころです。これらはすべて、ドイツ兵と地元の人々が築き上げた友好の証です。
公園の正面右奥には、徳島県指定史跡であるドイツ兵慰霊碑が建っています。1976年、鳴門市と在大阪・神戸ドイツ総領事館によって建立され、戦争で亡くなったドイツ兵士たちへの追悼の場として静かに佇んでいます。
さらに、2011年には公園の西側に「赤十字ゆかりの地」と題したモニュメントが設置されました。これは日本赤十字社徳島県支部によって設立され、捕虜の人権尊重と赤十字の理念を示すシンボルとなっています。
ドイツ村公園へは、徳島阿波おどり空港から車で約20分、高松自動車道「板野インターチェンジ」からは車で約10分で到着します。また、鳴門西PA/BSからは徒歩約5分と非常に便利な場所に位置しています。
公共交通機関を利用する場合、JR高徳線「板東駅」から徒歩約20分、または徳島バス鳴門大麻線「ドイツ村」下車後徒歩約2分で公園に到着します。
鳴門市ドイツ館は、第一次世界大戦中の板東俘虜収容所に関する資料や、当時の捕虜と地元住民の交流を紹介する博物館です。ドイツ文化が日本に与えた影響を学ぶことができ、徳島県の観光名所としても知られています。
鳴門市ドイツ館は1972年に設立され、1993年には現在の場所に移転して新たに竣工されました。収容所で初めて日本国内で演奏されたベートーヴェンの第九交響曲のエピソードや、捕虜たちが自主的に築き上げた文化や生活を垣間見ることができます。
館内には様々な展示室があり、捕虜たちが残した文化的な足跡を感じることができます。第九シアターでは、日本で初めて第九が演奏された際の映像を視聴できる他、企画展示室や常設展示室で豊富な資料に触れることができます。
ドイツ館の建物の脇にはベートーヴェン像があり、日本で初めて第九が演奏された歴史的背景を伝えています。また、2018年には収容所長であった松江豊寿の銅像が新たに建立され、訪れる人々にその功績を伝えています。
鳴門市ドイツ館の営業時間は9:30～16:30で、第4月曜日および12月28日から12月31日までは休館となっています。館内にはミュージアムショップもあり、訪れた際に記念品を購入することができます。
JR板東駅から徒歩約20分でドイツ館にアクセス可能です。また、徳島バス鳴門大麻線のドイツ館停留所からも徒歩すぐの距離に位置しています。自家用車でのアクセスも良く、高松自動車道「板野IC」から車で約5分、または徳島自動車道「藍住IC」から車で約10分です。
ドイツ館のすぐ隣には道の駅「第九の里」があります。ここでは地元の特産品を購入できる他、休憩施設も整っており、観光途中の立ち寄りに最適なスポットです。
徒歩8分の距離にある大麻比古神社は、阿波国の一宮で、地元民に親しまれている神社です。この神社内には、かつて捕虜となったドイツ兵たちによって建設されたドイツ橋とメガネ橋が現存しています。これらの石橋は歴史的な意義を持ち、訪れる人々に当時の友好の絆を伝えています。
四国八十八箇所第一番霊場である霊山寺も徒歩圏内にあり、巡礼の始まりの地として多くの参拝者が訪れます。ドイツ村公園やドイツ館と合わせて訪れることで、鳴門市の歴史と文化をより深く感じることができます。
徳島県鳴門市に位置するドイツ村公園は、第一次世界大戦の歴史を感じられる場所であり、ドイツとの友好関係を象徴する場所でもあります。園内や周辺には多くの見どころがあり、訪れる人々に感動と学びを与える観光スポットです。歴史と自然が調和したこの地を訪れ、ぜひその魅力を体感してみてください。