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上臈ヶ滝

(じょうろうがたき)

上臈ヶ滝は、徳島県名西郡神山町に位置する美しい滝で、大地谷川にかかる2段滝です。その落差は約12メートルにおよび、「上臈ヶ瀧」や「上臈の滝」とも表記されることがあります。この滝は、周囲の自然環境と歴史的背景から、地元の人々や観光客に親しまれています。

滝の地理と自然の美

滝の場所と周囲の自然

上臈ヶ滝は、鮎喰川(あくいがわ)の支流である大地谷川に注ぎ込む笠置谷に位置しています。滝は2段に分かれており、上段は約8メートル、下段は約4メートルの落差があります。滝から約1.6km先に進むと、徳島県立神山森林公園に到達するため、訪れる際にはこの周辺の自然も一緒に楽しむことができます。

滝の飛沫と迫力

この滝の特徴として、滝壺のすぐそばまで近づくことができ、勢いよく流れ落ちる水の飛沫を体験できます。滝から吹き上げる風と飛沫は、訪れる人々を圧倒する力強さを持っており、特に雨季にはその迫力が一層増すため、感動的な自然美を感じることができます。

上臈ヶ滝の歴史と伝承

滝の名前の由来

上臈ヶ滝という名前には、深い歴史的な背景があると言われています。滝の名前は、佐々木経高の次男である佐々木高兼が、小笠原長清に追われてこの地に逃げ込んだ際に生まれた伝承に由来しています。高兼に連れ添っていた貴婦人が追手に襲われ、最終的にはこの滝に身を投じたことで、「上臈の滝」として知られるようになりました。

女郎ぐも伝説

さらに、滝の渕には「女郎ぐも」が住んでいたという伝承もあり、地域の人々の間では「女郎滝」とも呼ばれることがあります。この伝説は、神秘的で幻想的な雰囲気を滝に与え、多くの観光客を惹きつけています。

滝へのアクセス

車でのアクセス

上臈ヶ滝へのアクセスは比較的容易で、JR「徳島駅」から車で約40分ほどの距離にあります。自然豊かな神山町の美しい景観を楽しみながら、滝までの道のりをドライブするのも一つの楽しみ方です。また、滝周辺には駐車場が完備されているため、観光客にも便利です。

鮎喰川

鮎喰川(あくいがわ)は、徳島県名西郡神山町の奥屋敷周辺を源流とする吉野川水系の一級河川です。この川は、鮎が豊富に見られることでその名が広く知られており、地域の自然と歴史を彩る重要な河川です。

鮎喰川の地理と流域

源流と流域の特徴

鮎喰川は、徳島県東部の名西郡神山町奥屋敷を源流とし、吉野川の支流として約49kmの長さを誇ります。流域面積は約198.7平方キロメートルに及び、徳島市内で吉野川と合流します。川の流域は御荷鉾構造線に沿って東流し、流れの方向を変えながら、徳島市の主要な地域を通過していきます。

扇状地と地下水系

鮎喰川は、扇状地を形成し、その地下水系は徳島市国府町で藍染めのための水源としても古くから利用されてきました。清らかな伏流水が、この地域の自然環境と伝統工芸を支えています。

鮎と川の恵み

天然鮎の遡上

鮎喰川の名の通り、春先には海から遡上した天然の鮎が見られ、中流域には鮎の養殖場も存在します。特に国府町では、清流を活用して養殖が行われ、多くの鮎が市場に出荷されています。鮎喰川は、鮎釣りを楽しむ人々にとっても人気のスポットであり、毎年多くの釣り客が訪れます。

歴史的背景

1927年(昭和2年)には、鮎喰川流域で干害が発生し、住民たちが水量減少に抗議した事件もありました。この時、下流の村々の住民が上流のコンクリート堰に原因があるとして抗議運動を展開し、県職員を拉致する騒動にまで発展しました。こうした歴史的出来事は、地域の人々にとって川がいかに重要な存在であるかを物語っています。

鮎喰川周辺の自然景勝地

雨乞の滝

鮎喰川周辺には、雨乞の滝や建治の滝といった自然景勝地が点在しており、これらの滝は訪れる人々に自然の美しさと力強さを感じさせてくれます。特に雨乞の滝は「日本の滝百選」にも選ばれており、その雄大な姿は観光客に人気です。

徳島市民島田運動広場と河川敷緑地

また、徳島市内には鮎喰川の河川敷に広がる緑地や徳島市民島田運動広場があり、地元住民や観光客にとって憩いの場となっています。四季折々の自然を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

まとめ

上臈ヶ滝と鮎喰川は、徳島県神山町の自然を象徴する景勝地として、豊かな歴史と自然環境を持つ地域です。滝の迫力ある美しさや、川がもたらす清らかな伏流水と鮎の恵みは、訪れる人々に癒しと感動を与えます。また、周辺の自然公園や景勝地も含めて、四季を通じて楽しむことができる場所です。歴史的な伝承や自然の美しさを感じながら、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
上臈ヶ滝
(じょうろうがたき)

鳴門・徳島市周辺

徳島県