神社の位置と背景
二ノ宮八幡神社は、県道31号に面した集落の中心部に位置しています。平安時代後期までは、同じ神山町にある上一宮大粟神社が阿波国の一宮であり、二ノ宮はこの二ノ宮八幡神社であったと言われています。
この神社の由緒は1180年(治承4年)に遡ります。当時、清水三郎義勝が京都の石清水八幡宮から分霊を勧請し、現在地の裏山に神社を創建しました。しかし、後に風水害に見舞われたため、現在の場所に遷座されました。再建は1453年(享徳2年)頃に行われ、この時期に「柚宮(ゆのみや)」とも呼ばれていたそうです。
蜂須賀家政と神社の発展
蜂須賀家政が阿波国に入国した後、この神社は「二ノ宮」としての地位を確立しました。特に牛馬の守護神として信仰を集め、徳島県全域から広く崇敬されました。このことから、農業や畜産業に従事する人々にとって重要な神社であり続けました。
神社の建築と修繕の歴史
明治から昭和にかけての修繕
二ノ宮八幡神社の建物は、時代とともに修繕が行われてきました。明治34年(1901年)には幣殿と拝殿が丸平瓦葺に改修され、その後も大正8年(1919年)に本殿の屋根が檜皮葺に、さらに昭和39年(1964年)には本殿屋根が銅板葺に改められました。また、昭和58年(1983年)には拝殿の屋根が銅板葺にされ、幣殿の改築も行われました。
境内の施設
神社の境内には、拝殿と本殿が堂々と建ち、訪れる者を迎え入れています。特に目を引くのは、神馬の像で、馬舎に納められた神聖な馬が信仰の対象となっています。牛馬の守護神としての信仰が根強いことを象徴するものであり、多くの参拝者が神馬の前で祈りを捧げます。
祭神
主祭神
二ノ宮八幡神社の祭神は、以下の三柱の神々です:
- 応神天皇(おうじんてんのう) - 八幡神として広く崇敬される神。
- 神功皇后(じんぐうこうごう) - 日本の歴史において重要な皇后。
- 仁徳天皇(にんとくてんのう) - 日本の発展に寄与した天皇。
これらの神々は、日本の歴史において重要な役割を果たしており、二ノ宮八幡神社でも強い信仰の対象となっています。
アクセス情報
二ノ宮八幡神社へのアクセスは、徳島市内から車で約45分の距離にあり、県外からの訪問者にとっても比較的アクセスが容易です。具体的なルートとしては、JR徳島駅から車で約45分、または徳島自動車道「藍住インターチェンジ」から車で約45分です。さらに、道の駅温泉の里神山から県道20号線、31号線を経由して車で約15分で到着します。
まとめ
二ノ宮八幡神社は、徳島県神山町における重要な信仰の場であり、阿波国における二ノ宮としての歴史を誇ります。その由緒ある背景や、牛馬の神としての崇敬、また建物の修繕や発展の歴史を通じて、地域の人々に深く根付いた存在です。徳島県を訪れる際には、この神社を訪れ、日本の古き良き神社文化とその歴史を感じることができるでしょう。