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徳島県立文書館

(とくしま けんりつ もんじょかん)

徳島県立文書館は、徳島県徳島市八万町に位置し、文化の森総合公園(向寺山)内にある公文書館です。この文書館は、刻々と散逸していく民間の古文書や、徳島県の行政機関が作成した公文書・行政資料を収集し、保存・公開する重要な役割を担っています。

施設の識別カラーは「茶色」で、1930年に竣工した旧徳島県庁舎の一部を利用しており、歴史的な趣とともに現代的な機能を持ち合わせた施設です。

徳島県立文書館の役割と活動

徳島県立文書館は、徳島県内外の人々が徳島の歴史や文化に触れるための重要な資料拠点として機能しています。文書館では、約20万点に及ぶ貴重な資料が保存されています。それらは、古文書から行政機関が作成した公文書・行政資料まで幅広く、研究者や一般市民に公開されています。文書館では、所蔵資料の展示や古文書講座、歴史講演会などのイベントも定期的に開催され、地域の歴史や文化への理解を深める機会が提供されています。

例えば、年4回の特別展示では、徳島の歴史的な出来事や文化遺産をテーマに、所蔵資料を活用して展示が行われています。これにより、訪れる人々は徳島の過去と現在をつなぐ貴重な情報を得ることができます。

施設の歴史と建築的特徴

徳島県立文書館は、1990年(平成2年)に昭和初期の日本建築を代表する建物であった旧徳島県庁舎の玄関部分を移築し、設計・建材をできる限り活かして建設されました。移築された建材の中には、玄関ポーチの石組み、外灯の台座、車寄せの縁石などが含まれており、訪れる人々は当時の風格を感じることができます。

建築データによると、この施設は1989年10月に移築が行われ、延床面積は1,780平方メートル、建築面積は619平方メートルです。SRC構造の地上4階建てで、堅牢な造りが特徴です。設計者である佐野利器による建築デザインは、徳島県の歴史的価値を尊重しながら、現代的な機能を持つ文書館として生まれ変わりました。

施設案内

徳島県立文書館の館内は、利用者が効率的に資料を閲覧できるように設計されています。1階にはエントランスホールと事務室があり、来館者はここで受付を済ませ、資料の閲覧や展示を楽しむことができます。2階には展示室、閲覧室、講座室があり、所蔵資料を展示したり、講座やセミナーが開催されるスペースが設けられています。屋外には「県民の森」という広大な自然公園が広がっており、訪れる人々が自然と文化を同時に楽しむことができる環境が整っています。

文化の森総合公園とその魅力

徳島県立文書館が位置する文化の森総合公園は、徳島県置県100年を記念して設立された広大な文化公園です。総面積は約40.6ヘクタールに及び、その景観は「とくしま88景」に選定されています。公園内には、文書館だけでなく、徳島県立図書館、県立博物館、鳥居龍蔵記念博物館、近代美術館、21世紀館など、徳島の文化と歴史を体感できる施設が点在しています。

各施設は識別カラーで分けられており、例えば、図書館は「橙色」、博物館は「水色」、美術館は「紫色」、文書館は「茶色」で示されています。また、公園内には「野外劇場」や「カスケード」などの特徴的なスポットがあり、特にカスケードは山腹から三館棟に向かって流れ落ちる長さ135m、落差30mの階段状の人工滝で、見応えがあります。

文化の森総合公園の施設ゾーン

公園内の施設ゾーンには、以下の主要施設があります。

徳島県立図書館

識別カラーは「橙色」で、県内外の文献を幅広く収集・提供しており、学術研究や読書のための場所として利用されています。

徳島県立博物館

「水色」の識別カラーを持つ徳島県立博物館では、徳島の自然史や文化史を展示しています。特に、阿波踊りに関する展示が充実しており、徳島の伝統文化を学ぶことができます。

徳島県立鳥居龍蔵記念博物館

「黄色」の識別カラーを持つこの博物館は、徳島出身の著名な人類学者・考古学者である鳥居龍蔵の業績を展示しています。彼の研究成果は、徳島県のみならず、日本全体の学術に大きな影響を与えました。

徳島県立近代美術館

「紫色」の識別カラーが特徴の近代美術館では、徳島県ゆかりの近代美術作品が多数展示されています。現代アートを楽しむことができる場所として、多くの芸術愛好家に支持されています。

徳島県立21世紀館

「緑色」の識別カラーを持つ21世紀館は、未来に向けた徳島県のビジョンを紹介する展示やイベントが行われています。地域の子供たちにも人気のある施設です。

公園ゾーンと自然の魅力

文化の森総合公園は、ただの文化施設の集まりではなく、豊かな自然環境も楽しめる場所です。例えば、約2,000名を収容する円形の「野外劇場」では、コンサートやイベントが開催され、自然の中で文化的な体験ができます。また、先述の「カスケード」は、観光客に人気のスポットであり、爽やかな滝の音が公園全体に響き渡ります。

さらに、図書館や博物館、美術館、文書館と対になる「知識の森」、「創造の森」、「伝承の森」、「県民の森」といった公園ゾーンも整備されており、訪れる人々が自然と学びを同時に楽しむことができる空間が広がっています。

アクセス方法

徳島県立文書館および文化の森総合公園へのアクセスは非常に便利です。JR徳島駅からは、「文化の森」行きまたはバイパス経由「市原」行きバスに乗車し約25分で到着します。また、しらさぎ台、一宮、天の原、佐那河内方面行きのバスに乗車し、「園瀬橋」で下車後、徒歩約10分でもアクセス可能です。駐車場も完備されているため、車での来訪も容易です。

徳島県立文書館を訪れることで、徳島の歴史と文化を深く知り、その貴重な資料と触れ合うことができます。文化の森総合公園の豊かな自然の中で、過去と現在をつなぐ貴重な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
徳島県立文書館
(とくしま けんりつ もんじょかん)

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