宇佐八幡神社は、徳島県鳴門市撫養町黒崎に鎮座する由緒ある神社です。この神社は、地元住民だけでなく、歴史や文化に関心のある観光客にも親しまれています。
宇佐八幡神社は、鳴門市撫養町黒崎に位置しており、その名の通り、八幡神を主祭神とする神社です。神社の設立は、16世紀末の蜂須賀氏が支配していた時代にさかのぼり、地元の信仰の中心となってきました。神社周辺は自然豊かな環境に恵まれており、静かで落ち着いた雰囲気の中で参拝ができます。
宇佐八幡神社の起源は、元々「八幡祠」として西方の八幡山麓にありました。しかし、1599年(慶長4年)、徳島藩の藩祖である蜂須賀家政が招いた馬居七郎兵衛らがこの地に移住し、塩田を開いた際に、神社も現在の場所に移されました。彼らの発願により社殿が拡張され、同時に豊前国(現在の大分県)にある宇佐神宮から分霊を迎え入れ、宇佐八幡神社と改称されました。
宇佐八幡神社が現在の地に移された際、神社の社殿も大規模に改築されました。この時に迎えられた宇佐神宮の分霊は、徳島の地に新たな信仰をもたらし、神社が地域の重要な宗教施設として発展する契機となりました。豊前国からの分霊は宇佐八幡宮としての神社の名前にも由来しており、現在もその伝統は引き継がれています。
宇佐八幡神社では、特に注目すべき神事として「お御供(おみく)」があります。これは1599年(慶長4年)頃から始まったとされる、女性だけが神前に進み、お供え物を献上するという珍しい祭りです。この神事は、鳴門市の無形民俗文化財にも指定されており、地域の伝統行事として重要視されています。
「お御供」の行事は慶長4年に始まり、その起源は詳しくはわかっていませんが、元禄2年(1689年)以降、各時代の記録が残されています。神事は毎年10月15日に行われていましたが、現在では10月13日の夜に執り行われています。儀式の簡略化が進んだものの、古式ゆかしい伝統を今に伝えています。
13日の夜になると、大当や寄当が大当の家から出発し、行列を整えて神社に向かいます。行列では、高張り提灯や八幡宮の神号の額、荷太鼓などを持ち、大太鼓をたたきながら進みます。神社に到着すると、男性は神殿の左側に座り、女性たちは祝詞と太鼓の音色に合わせて神前に進みます。女性たちが神前にお供え物を献上すると、彼女たちは神殿の右側に座り、儀式が終了した後、参列者全員で神酒をいただきます。この神事は、地域の女性たちが中心となって行うという点で非常に珍しいもので、地元の文化と信仰を色濃く残しています。
宇佐八幡神社には、次の4柱の神々が祀られています。
このように、宇佐八幡神社には日本の歴史上重要な天皇とその家族が祀られており、これらの神々への信仰は、神社の格式と伝統をさらに強固なものとしています。
宇佐八幡神社は、徳島県鳴門市の主要な観光地からアクセスしやすい場所に位置しています。以下の交通手段を利用して訪れることができます。
車を利用すると便利にアクセスできますが、周辺には公共交通機関の利用も可能ですので、観光の際にはぜひ訪れてみてください。
宇佐八幡神社は、徳島県鳴門市において歴史と文化を象徴する重要な神社です。特に、古来から続く女性たちによる「お御供」の神事は地域の無形文化財として、地元の人々に大切に受け継がれています。神社そのものの歴史も深く、豊前国宇佐神宮からの分霊を祀るという背景から、日本全国に広がる八幡信仰とも結びついています。静寂に包まれた境内で参拝し、歴史と伝統に触れるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。